※注意書き的なもの※
この物語は、やっぱり己満足極まりない作者の妄想的なものです。
相変わらず他の人のキャラも登場させちゃったりしている的なものです。
しかも何箇所か過去更新結果的なものや、他のSS的なものから引用しています。
それ故初見では「？？？」的な感覚に襲われる可能性が高いですが、お使いのPCは正常的なものです。
極めて頭痛注意なSS的なものとなってしまいましたので、何卒ご容赦下さい。

以上をご理解・ご了承頂いた上で、スクロール的なものを行ってご覧下さい。

by.オートマタ

　願いを叶える為に、彼らは戦い続ける。
　その胸に秘めたる決意は、島を訪れた時から変わらず、或いはより強い想いを持って、苦難の道へと歩み進んできた。
　今、最後の障害を退けることで、ついに全ての目的を達する事ができる――それを目前にして、誰がこの歩みを止められようか。
　果たして、彼らは決戦の舞台へと駒を進める――


-Eternal Desire- Private Short Stories
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　Episode07　『ＤＥＳＩＲＥ』
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　吹き荒ぶ風が時を蝕み、存在する物、対峙する者全てに滅びを与える。瓦礫は灰燼と成し、鎧はひび割れ、生命はそのエネルギーの源を確実に削ぎ落とされていく。破壊の根源たる魔王の存在……それはあまりにも途方も無い、邪悪な空間。
「クレスオール、彼らに加護を！」
　リギナロの鎧に籠められたかりそめの魂、サークがその身を賭す。
「クレスオール、彼らを守って！」
　エル・セイダの化身、ミュウが力を取り戻しかつての持主を再誕させる。
　クレスオールが手中の剣を掲げると、彼ら４人の手中にあるフェレスが一層の輝きを増し、躍動する。溢れんばかりの力の源が彼らに宿り、地に突いた膝をもう一度立ち上がらせる。そのポテンシャルを、何倍にも高めて。
　実態を得た魔王の姿。それを見据える彼らの双眸には、確かな闘気が宿っていた。滅びに、破壊に、絶望に屈しない、強靭な魂。それを支えるのは、この戦いに臨む糧として彼らが携えてきた、全ての希望。
「魔王……こんな……こんなものの為にあの人は……っ。」
　偶像を抱え持つ手に力が篭る。力強い眼光で魔王を射抜き、アクラが力を解放した。
「こんなもの、滅ぼしてしまいますよぉ、邪神さまぁ――」
　ほとばしる闇の力に、胸中の邪神像が共鳴し応える。同じく闇色の力を身に宿す翼人・竹刀がちらりとその様子を見やる。再び魔王へと視界を移すと、唇端が僅かに歪んだ。
「さてさて……いよいよラスボスってか。こりゃ相手に不足はねぇな……！」
「また、サークたりし者ですか？　……って、そういう次元の問題ではないみたいですね。」
　冗談めいて見せるのは、銀炎を纏いし人の形・オートマタ。おどけた表情を浮かべるが、ひとたび瞳を閉じると、直ぐに真剣な顔つきへと変貌する。
「まぁ、何にせよ――潰しますっ！」
　そして、終始笑顔を崩さず――しかし剣把を持つ手には一層の力を篭め、野生児・ぽちが歩みを進める。彼の得物、湖の精剣の煌く切先が持ち上がり、対峙する相手へと向かい定める。彼らが獲得すべき燦然たる勝利、それに誓いを立てて。
「さぁ……気合入れていくよー！」
　サークたりし破壊の具現が鳴動し、右のかいなを高く上げた。空間が再び裂き、その巨大な掌に収まる神器たる剣が現れる。天を衝くその刃が真っ直ぐに振り下ろされると、エル・セイダを携えたクレスオールが咄嗟に身を翻し、剣閃を弾き横へ逸らした。
「魔王グノ・レイ……、我々は知る。はるかなる果て、『エターナルデザイアー』を。ヒトの思い描く夢は永遠無限……ゆえに！」
「フェレスを阻むことはできないのよ！」
　エル・セイダに身を移しミュウの声が、４人のフェレスを――闘志を鼓舞する。
　かくして、決戦の火蓋は切って落とされた。

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　個性豊かな冒険者たちを束ねる、イススィールでは比較的規模の大きいギルド――レジェンヴィスで、夜通しの祝賀パーティーが行われた日から既に三昼夜が過ぎた。
　運ばれた料理やジャーキーを手当たり次第食い散らかす者や、30個ものプリンを一人で平らげる者など、主賓がおよそ死闘の直後とは思えない暴れぶりであったが、このギルドではさして珍しい光景でも無いだろう。それ程に賑やかなパーティーであったが、３日も経てばまた、いつもの日常――あくまで、ここでの“日常”ではあるが――が訪れるものである。
　――しかしその中に一人だけ、未だ日常の戻らぬものが存在していた。

「成る程ね。君が秘宝の力を求めたのは、それを取り戻すため――と」
　組んだ指をテーブルに乗せたまま、椅子に背もたれる白亜の翼。対面に腰掛け、薄ら笑顔を浮かべる女性の目を見据える。
「そうですよぉ。あまり人に話すことじゃない内容ですから、みんなには内緒ですよ？」
「――確かに、アレが与える世界への影響は、大きい。だが君の場合はまだ、時が短いか……それに、その原因がまた“歪み”によるものであれば――」
　言いかけた矢先、直上で大きな物音が響く。ちょうど共用書庫の辺りだろうか、対話中の女性――アクラは小さくため息をつき、席を立った。
「はぁ、またですか。ごめんなさいねぇファリスさん、お話の続きはまた今度に……」
「そうだな、そうさせて貰うとするよ」
　そそくさと階段を駆け上がるアクラを、小さく手を振り送り出すファリス。椅子に背もたれたまま顔を上に逸らし、鼻を鳴らした。遠い目つきのまま、直上の空間を見やる。
「彼女も心配だね――いったい、どんな願いを叶えようとしたんだい？」

　書庫の中は、予想どおり無残な様相を呈していた。
　書物は床に散らばり、埃は舞い、山となった本の中から微かな呻き声。そして本の隙間から生えるようにして、ぴくりぴくりと震える一本の小さな手。
「はむ、しょうがないですね」
　駆けつけたアクラが、本の山に生えた手を両手で掴む。そのまま力いっぱい引っ張り――勢い余って尻餅をついた。
「あいたたた……またこのパターンですかっ」
　どうやら初めての事では無いらしい。かくして本の中から救出されたのは――50センチ大のからくり人形、オートマタであった。舞い立つ埃に咳き込みながら、傍らに倒れたモップを杖がわりにして、ふらふらと立ち上がる。
　その光景を見やり、改めて大きなため息を付いた。
「はぁ……何やってるんですか。お掃除してる人が、今より散らかしているのですから、全く世話がありませんよ？」
　一喝され、オートマタの大きな頭がしゅんと項垂れる。
「はうぅ、ごめんなさいです」
　力無く体を立て直し、散らかした書庫の片付けを始めた。その様子を見届けてから、アクラも部屋を立ち去る。廊下を暫く歩いてから、ふと足を止め、誰に届けるともない声量で呟いた。
「……“歪み”ですかぁ……」

　その日の夜、ロビーに集まり夕食を摂る者たちの中に、彼女の姿が無かった。定位置である筈のカウンター上、そこにはぽっかりと何も無い空間が存在してる。当たり前にあった筈の存在――その欠損に、ギルドメンバー達の顔にも不安の色が浮かぶ。
　銀トレイ上にカップのプリンを乗せて、途方に暮れるラゼルが呟く。
「どうしたんだろう、オートマタさん……今日はせっかく新しいプリンを作ってみたのに」
　いつもであれば、例えその場に居なかったとしても、プリンの匂いを嗅ぎ付けて現れていたであろう。つまり、それだけ異常事態であると理解できる。カウンター席でふんぞり返っていた竹刀も、その隣の席で何故かおすわりポーズを取っているぽちも、顔をしかめて空間に視線を運んだ。
「どしたんだろねー、マタ子さん。最近何か様子がおかしくない？」
　ぽちの言葉に、竹刀が口を曲げて毒づく。
「ハッ……こっちとしちゃ、心配を通り越してそろそろ迷惑ってもんだ。こないだも、二階の窓際でぼーっと座ってたと思ったら、落っこちそうになりやがるし」
「ねー、あれはびっくりしたよねー」
　このところ、そんな様子が毎日続いていた。カウンターの上から転げ落ちたり、模様替え中に花瓶を割ったり、ティーポットから茶葉が溢れる程に零していたり――最早、奇行とも言えるオートマタの異常行動の数々に、メンバーの誰もが心配の色を隠せずにいた。
「ッたく、いい加減にしてくれよ」
　苛立つ竹刀の拳が、カウンターテーブルに振り下ろされる。ドン、と鈍い音とともに、カウンターの端に置かれていたゴッドールの首がカクンと傾く、操り主の居ない人形は、当然何も語ることは無く、ただ寂しくそこに在るだけだった。

　その一方、ロビーの隅に飾られた観葉植物の陰で、緑の髪がふわりと揺れていた。

　　　　※　　　※　　　※

「ええっ！　オートマタさん、昨日から姿が見えないの？」
　翌日、早朝のレジェンヴィスに、ギルドマスター・セツナの声が響く。昨夜は夜遅くに帰ってすぐ床に就いた為、オートマタの行方が知れない事を今朝になって初めて知らされた――やけにうろたえているラゼルの口から。
　同じく、あくせられーたの他メンバーもその場に集まっていた。
「ケッ！　つくづく世話の焼ける奴だな」
　昨夜以上に苛立ちを顕わにし、剥いた歯を軋ませる竹刀。アクラとぽちの表情にも、一層の不安が募る。
「も、もしかして、何か事件にでも巻き込まれたんじゃ……！」
　青ざめたラゼルの口から、不吉な言葉が走る。どきりとする一同、一瞬の間ののち、セツナが駆け足でドアに向かった。
「とっ、とにかく捜索願いを――」
「ちょっと待った！！」
　突如、背後から静止が掛かる。振り向けば、階段から下りてくる声の主――蒼き青年の姿、ニルスであった。一階へと降り立った彼は、ばつの悪そうな表情を浮かべ、頭上のバンダナを軽く軽く下げながら一同に伝える。
「いや、実はさ……うちのトーイくんもね、昨日から戻ってなくて――」
「ンマー！　もしかして、二人で愛の逃避行？」
「そんな訳ないでしょうに。で、ニルスさんは何か心当たりが？」
　ぽちのボケに、アクラが0.2秒で突っ込む。漫才の様子に軽く苦笑いを浮かべ、ニルスが質問に答えた。
「うん、まぁ、心当たりと言えば、心当たりかなぁ……？」
　どうにも煮え切らない言葉に、眉をひそめる一同。しかし、彼が手にした一葉のメモ――そこに書き残されたメッセージを見るや否や、全員が口をぽかんと開いて目を見合わせた。

　――トマちゃんのことは僕に任せて。　トーイ――

　　　　※　　　※　　　※

　彼女は、その場所に一度も訪れた事はない。
　しかし、その場所に一度だけ訪れたことがある。
　その時に見た光景――その記憶は、紛れも無く真実であり、今ものその眼前に広がっていた。

　朝靄に包まれる断崖は、絵画のような幻想性をもたらしていた。海平線から覘く陽の光が、その視界の先に佇むもののシルエットを色濃く浮かび上がらせている。澄んだ空気と、絨毯状に広がる草花の香りが心地良い。
　彼は、その場所に一度も訪れた事はない。
　しかし、何故か縁を感じ取れる場所であった。それが何故かは、彼には知る由がない。
「――こんなところに居たんだね、トマちゃん」
　小さなシルエットが振り向いた。眩しい陽光を背にしている為、その表情は影となって窺い知れない。だが恐らく、驚きの表情を浮かべているのだろう――と、彼は思った。
「トーイさん？　何故、ここが……」
　消え入るような微かな声量で、オートマタが呟く。朝日を正面に受けるトーイの目が細まった。それは眩しかったからだろうか。
「みんなが、道案内してくれたからね」
　遠く聞く潮騒の音、そこはイススィールの島端であった。陽は海平線から完全に顔を出し、空はより明るく、朝靄は徐々に晴れていった。再び断崖の先へと視線を移したオートマタ、そのすぐ脇にトーイも佇む。
「きれいな朝日だね……トマちゃんは、これを見に此処に来たのかい？」
　視線も、表情も動かさず――それは本質である人形そのものの様に、オートマタが言葉を返す。
「そっか――トーイさんの目には、そんな光景が“見える”のですね」
　返された言葉は、彼にとっては想定外だったのだろう。怪訝な表情を、彼女に向けた。
「……トマちゃん……？」
「教えてあげます。今、私が見ている、この光景を――」

　――かつて彼女が訪れた――正確には、彼女に宿る魂が訪れたこの場所は、その断崖の先全てが“壁”に覆われていた。
　それは此処だけではない。彼女にとって、この島の海岸は“壁”によって覆われ、その先は存在しない。無論、その“壁”を越える事など出来ない、世界の果てを示していた。
　かつて此処で出会った、とある存在――それはこの“壁”を『リギノの壁』と呼んだ。島が多次元的に存在する為のロジック。それ故、“壁”は島全体を包むようにして閑かに存在している。島の外からの来訪者には、決して知覚される事の無い存在として。
　――そして、その“壁”は今も、彼女の前方を遮っている。

「……“壁”……だって？　そんな……ってことはトマちゃんには、この先の海も、朝日も――」
「そっか、今朝日が昇ったところなのですね。そういえば、段々と明るくなってきましたものね」
　その表情、その視線はやはり、動かない。一切の感情を示さない人形の表情が、そこに在った。それはギルドメンバー誰もが――トーイも決して見たことの無い、表情豊かな彼女の、無表情。
　そして――彼女は語る。
「私は……私のこの身体は、かつてこの島の者の手で、この島の技術を使い、この島で作られた――この島に在るべき存在。そして私の魂は……島の外から訪れ、この島で本来の身を失い、そして今の身に宿った――言わばこの島で新たに生まれた命。それ故に私は、この島が在る現次元のロジックから、抜け出すことのできない存在」
　淡々と、ただ淡々と彼女は語り続ける。
「エターナルデザイアーが私に与えた、夢を実現させる力……それは、この島を去るときに叶えられると言います。しかし、この島と共に在る私は――この島から去ることを赦されない私には……決して……」
　そこまで言うと、再び彼女は口を噤んだ。
　二人の間に流れる沈黙。遠く遠く、潮騒の音だけが辺りに響く。陽は既に海平線から高く上がっていた。完全に青く染まった空の色が、点々とたなびく雲の尾が、断崖の二人を見下ろしている。
　そして、トーイの口が開いた。
「トマちゃん……僕はね。こんな事を言うと、もしかしたら怒られるかもしれないけど……僕は、トマちゃんがエターナルデザイアーの力で願いを叶えられなくて、良かったと思ってる」
　無表情の表情が、トーイの方へと向けられた。
「ごめんね、トマちゃん。でも、僕は……僕たちはやっぱり、秘宝の力なんて使うべきじゃないかもしれない。――ファリスさんがね、前に言ったんだ。『アレの存在はロジックを超えている。歪めている……と言ってもいいかもしれない』――って。ロジックが歪めば、その歪みの先に在る存在も、全て……歪んでしまうのだろう。そうしたら、その歪められてしまった存在は――」
　少し言葉を詰まらせるトーイ。目を細め、自嘲するような笑みを浮かべる。
「でも、僕も最初は……。そう、人の欲望は、得てしてそういうものなんだ。誰かが願いを叶えようとすれば、別の誰かが犠牲になる。それも秘宝の力で、無理矢理に捻じ曲げようとしようものなら……それは、場合によっては、決して贖うことのできない大罪を犯してしまうのかもしれない」
　……いや違う。トーイは小さく呟く。
「それは……ただの偽善者の言葉だ。そんなことで罪になるなら……争いは起こらない。欲望など生じることもない。誰もエターナルデザイアーなど、求める筈がない。……ごめんねトマちゃん、今言ったことは、全部忘れて――」
「いいえ、トーイさんの言うとおりです！」
　堰を切ったように、オートマタが叫ぶ。力強い双眸が、トーイの驚く表情を見上げていた。そこに――いつもの彼女の、オートマタの表情が在った。
「私、ずっと勘違いしていました……エターナルデザイアーで願いを叶えられないから、私の願いは絶対に叶わないんだ――って。でも違うのです！　違ったのです！　私のこの願いは……私が叶えたかった願いは……そんな風に、誰かに――何かに叶えて貰うようなものでは無いのです！」
　あまりの勢いに、身をたじろがせるトーイ。興奮し、もたつきながらも言葉を紡いでいくオートマタ。
「だって――そう、私の願いは……みんな、ぜんぶ……！」
　鼻息荒く、興奮するオートマタの表情が豊かに動く。少し狼狽したトーイだったが、その様子を見て直ぐに笑顔を綻ばせた。どうやら――本来の目的は、達成できたらしい。
「そっか……どうやら、答えは見つかったみたいだね。それじゃ、もう帰ろっか。黙って居なくなって、多分みんな心配してるよ？」
「はうっ！　そうでした……ギルドのお掃除とかもほっぽり出して来ちゃって……早く戻らないとです！」
　断崖に背を向け、駆け足で来た道を戻ろうとするオートマタに、そういえば――とトーイが最後の質問を投げかけた。急ブレーキをかけ、ぐるりと首を彼の方へと向ける。
「ところで、トマちゃんの願いって何だったの？　折角だから、教えてもらっても良いかな？」
　うーん、と指を顎先に当て考え込む。数秒の後、ぱたぱたと後続するトーイの元へと駆け戻り、その足元でちょいちょいと手招きする。トーイがこうべを下げると、彼の耳元に手を添え、こっそりと耳打ちした。
「――そっか、成る程ね……あはは、トマちゃんらしいや」
　声を上げて笑うと、オートマタより先に進み出て、断崖の坂を駆け下りた。笑われたことに腹を立てたのか、ぷっくりと頬を膨らませ、後を追いかけるオートマタ。そんな彼女に追いかけられながら、トーイは優しく呟いた。
「大丈夫、エターナルデザイアーに頼らなくても――君の願いは、きっと叶うよ」

　陽は、遮る壁より遥か高く、二人の後姿を照らしている――

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　願いを叶える為に、彼らは戦い続けた。
　その胸に秘めたる決意は、この島を発つその時に、或いは島から離れるにつれ徐々に、確実に具現されるだろう。
　次元の調律、ロジックさえ歪め、超越するという秘宝の力――それが時として、多次元の運命すら曲げてしまう事を、誰が知り得ようか。
　果たして、その正誤を断じる者は無い――



Episode07……ＥＮＤ