※前書き

この物語はフィクションです
紅＠アクラのEDでのワンシーンをイメージしたショートストーリーです
初執筆ということで手探り状態ですが、多少なりとも楽しんで頂けたら幸いです

以下より本編です
※こっそり、参考冒険結果※

by.アクラ

・・・
とある城の玉座の間にて

一人の男はそこに居た
この男の名はマフェリアリ
男はふと外に目を向けた

　マフェリアリ：「・・・　あれは・・・」

視線の先にはテラスで暴れる二匹の飛竜
それは何者かと戦っているようだった

　マフェリアリ：「侵入者か　アケロンの岸を横切るとはなんと運の無いことよ」

テラスへの侵入者
それは男にとって取るに足らないことだった
己の飛竜が侵入者に負けるなどとは露程にも考えていないが故の余裕
しかし次に男が視線を外へ向けた時にそれは一変する

　マフェリアリ：「・・・　むう・・・　これは・・・　このような日が訪れるとは・・・！」

男は己の目を見たことをすぐには信じられなかった
視線の先には
そこには倒れ逝く二匹の飛竜の姿があった
現ではないのかと思った
だが程無くして男はそれが現実であることを受け入れた
飛竜を倒した侵入者の姿が見当たらない
おそらくは城内を進んだのだろう
おそらくは己の居るこの玉座の間へと向かっていることだろう
男は侵入者を迎え討つ為に気持ちを鎮めた
静かに
ただ静かに胸の内の怒りを抑えながら
・・・

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・・・
マフェリアリがテラスの異変に気付くより少し前
侵入者の五人はテラスに居た
二匹の飛竜と入り乱れて戦っていた

両の手の拳で獣の如く戦う獣人・ぽち
グッドマンを模した人形を繰る人形・オートマタ
目にも留まらぬ速さで斬り付けるマイルーン・竹刀
邪神の像を抱いて魔法を放つ精霊・アクラ
そして四人を此処へと導いたワルキューレ・ミュウ

パワースポットを目指して訪れた城
灰城ロマルフ
おそらくはパワースポットが或るであろう場所
玉座を目指してテラスを横切ったその時
五人は二匹の巨大な飛竜に襲われたのだった

　竹刀：「喰らいやがれ！　フロムダスク！」

竹刀のチャクラムが飛竜の鱗を斬り裂く

　アクラ：「竹刀くん後ろっ　危ないっ」
　竹刀：「甘ぇ！　そんなのあたらねーな！」

飛竜の尾撃を躱してさらに斬り込む竹刀
アクラも魔法で援護する

　アクラ：「巻き込まれないで下さいね竹刀くん　闇に還れっ　ダークレイドっ」

もう一匹の飛竜とはぽちが真っ向から撃ち合っている

　ぽち：「がおー　シャークトゥース！」
　オートマタ：「ぽちさん離れてください！　行きなさい良男人形！　ライアットバーン！」

コンビネーション攻撃で飛竜にダメージを与えていく

　オートマタ：「ごめんあそばせ？」
　飛竜：「きゅうーーー」

オートマタの繰るグッドマン人形の一撃で飛竜の一匹が倒れ込む

　飛竜：「きゃぅーーーん」
　ぽち：「ほねのずいまでおいしくいただきました♪」

ぽちの拳でもう一匹の飛竜も力無く倒れた

　アクラ：「ふぅ　こんなのにいきなり襲われるとか　どうなることかと」
　竹刀：「紙一重ってやつだな　こんなの放し飼いにしてやがるのかよここの王様はよぉ？」
　ぽち：「ねえねえ　この飛竜乗れないかな？」
　オートマタ：「びゃうぅー！　飛竜の体液がー！」

一息ついて思い思いの言葉を口にする
束の間の安心
ただ一人を除いて
その一人であるミュウが城内の奥を指差し口を開く

　ミュウ：「さぁ覚悟は良いかしら？　アマン・ディの玉座の主、マフェリアリはこの扉の奥よ」

ミュウの指差す先には巨大な扉が構えていた
四人の表情からは笑みが消え、緊張感が高まる
五人は静かに扉へと歩みを進めた
・・・

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・・・
玉座の間
一人の男はそこに居た
マフェリアリ
廃王と称されるその男はただ静かにその時を待っていた

五人はそこに辿り着いた
七色に輝く玉座の間
廃王の佇むその場所へと

　マフェリアリ：「お前たちか　余の飛竜を殺した侵入者どもは」
　ミュウ：「エターナルデザイアーを目覚めさせる為に、私はあなたを倒します！」
　マフェリアリ：「どんな望みも聞き叶える・・・　そんなパラドクスを抱えた秘宝のためにお前たちは本気で戦っているのか？」

男は剣を引き抜く
ミュウと後ろに居た四人も武器を構えた

　マフェリアリ：「現世に価値を見出せぬなら、その生に意味は無いッ。」
　マフェリアリ：「フェレスに願いを託す惰弱者ども、虚構とともにここで灰と化せ！」

マフェリアリが剣を振り上げ襲い掛かる

　ミュウ：「来る！　みんな散って！」

襲い来るマフェリアリの剣
気迫に圧倒され、アクラの足が一瞬止まる

　ぽち：「！　まずい！　がおーーー！！！」
　マフェリアリ：「うおぉぉぉーーー！！！　スラーーーッシュ！！！」

マフェリアリの剣がぽちを薙ぎ払う

　ぽち：「うわーーーっ」
　アクラ：「ぽってぃーっ」

吹き飛ばされたぽちにアクラが駆け寄る
二人を追撃しようとするマフェリアリの間にミュウが割って入る

　ミュウ：「くっ　ホーリーレイド！　クラッシュ！・・・あ、あら？」
　マフェリアリ：「甘い甘い甘いわぁ！　喰らえぃ！　っ　むぅ！」

ミュウの攻撃を身を翻して躱すマフェリアリ
反撃かと思われた瞬間、マフェリアリが後ろへ跳び下がる
マフェリアリの居た位置には竹刀のチャクラムが刺さっていた

　竹刀：「おいおいおい　王様よぉ　この俺は眼中無しかい？」
　マフェリアリ：「死に急ぐか童」

マフェリアリが横へ視線を向けると竹刀が睨みつけていた

　竹刀：「なんだよその眼は　あぁ！？　この俺を見下してんじゃねぇ・・・　気に食わねえんだよ！！！」

竹刀がマフェリアリへ駆ける

　竹刀：「おーりゃあーーー！　フロムダスク！！！」

竹刀のチャクラムがマフェリアリの鎧を斬り付ける

　マフェリアリ：「小賢しい蝿がぁ　ぬぅん！」
　竹刀：「へっ　当たらねーなぁ　その程度かよ王様よぉ！？」

マフェリアリの斬撃を竹刀が躱して距離を取る
その反対側に
マフェリアリの背後に呪文の詠唱を終えた二人の術者が居た

　アクラ：「人形ちゃんここですっ　闇に還れっ　ダークレイドっ」
　オートマタ：「廃王覚悟！　行きなさいモケーレムベンベ！　アブサードバイト！」

二人の魔法がマフェリアリを襲う
竹刀に気を取られていたマフェリアリは躱すこともままならずに直撃した

　マフェリアリ：「ぬぅ！？　ぐおぉぉぉーーー！！！　ぐぅ・・・」
　マフェリアリ：「ぬかったわ・・・　ふはは・・・　ふはははは！　舐めるなよ蟻が！！！」

マフェリアリが猛ると周囲に魔力が渦巻いた

　マフェリアリ：「うおぉぉぉーーー！！！　灰と化せ！　ファイアフィアス！　ファイアフィアース！！！」

マフェリアリから放たれた炎がアクラを襲う

　オートマタ：「きゃぁ！　アクラさん！」
　アクラ：「くぅっ　これほどの魔力だなんて・・・っ」

　竹刀：「ちぃ！　世話の焼ける！」
　ぽち：「ととっ　やめろー！」
　ミュウ：「くっ　このーーー！！！」

マフェリアリを止めようと三人が飛び掛かる

　マフェリアリ：「退けい！　ウィンドフィアス！」

　竹刀：「うおっ」
　ぽち：「わーーー」
　ミュウ：「きゃあっ」

マフェリアリが手を払った瞬間、突風が三人を吹き飛ばした

　マフェリアリ：「よもや蟻どもがここまでやりおるとは　これほどまでに追い詰められるとは！」
　マフェリアリ：「だが最早それも終わりだ　みな纏めて葬り去ってくれるわ！　魔剣・連ネ血桜！！！」

マフェリアリの姿を見失う
刹那
迸る斬撃が五人を襲った

　ぽち：「うわーーー！」
　オートマタ：「きゃん！」
　竹刀：「ぐわぁ！」
　アクラ：「きゃっ」
　ミュウ：「きゃあーーー」

　ぽち：「うぁ・・・　ごめんみんな・・・」

ぽちはマフェリアリの剣で深手を負ってしまった

　アクラ：「くぅ・・・　ぽってぃーっ」

　マフェリアリ：「ふんっ　まだ息があるか」
　マフェリアリ：「抗えば苦しみが長引くだけだぞ　死ねぃ！　魔剣・連ネ血桜！！！」

　オートマタ：「きゅぅ・・・」
　竹刀：「くっ！　こんなのそう何度も受けてやれるかよ！」
　アクラ：「ん・・・　つぅ・・・」

辛くも竹刀は斬撃を躱す

　アクラ：「ほぇ・・・　ちからが・・・　はいらな・・・」

アクラは斬撃を直撃して深手を負ってしまった

　竹刀：「くそ・・・っ　アクラまで・・・！　この借りは今此処で返す！　フロムダスク！！！」

竹刀のチャクラムがマフェリアリを斬り付ける

　マフェリアリ：「小蝿がぁ！　目障りだと言っておるであろう！　スラッシュ！！！」

　竹刀：「ぐふぅ・・・　俺としたことが・・・　こんなところでしくじっちまうとはよぉ・・・」

マフェリアリの剣が竹刀に深手を負わせる

　マフェリアリ：「・・・っ！　ぬぅ！　貴様も生きておったか！！！」

瞬間
物陰に息を潜めていたミュウがマフェリアリに刃を突き立てた

　ミュウ：「これで・・・　これで終わりよ廃王！」
　オートマタ：「ぎゃおー！　モケーレムベンベたべちゃいなさい！　アブサードバイト！！！」

　マフェリアリ：「ぐおぁぁぁーーー！！！　こ、これまでか・・・　ミュウ・・・　貴様は・・・っ」

オートマタの魔法がマフェリアリを穿つ
これまでも無数の攻撃を受けてきたマフェリアリも遂に力尽きた

　オートマタ：「やった・・・？　やりました・・・！　これでフェレスが・・・　・・・」

倒れたマフェリアリを見て気が抜けたのか、オートマタもまた眠りについてしまった

　ミュウ：「・・・　ふぅ・・・　みんなお疲れ様　今はゆっくり休んでちょうだい　次の戦いに備えて・・・」
　ミュウ：「・・・　でも私一人じゃ四人も街まで運べないなぁ・・・　どーしよぉ・・・」

パワースポットはただ静かに輝いていた
・・・

Fin